ヘブライの館2|総合案内所|休憩室 |
No.a2f1205
作成 1997.1
●1960年8月に設立された「国家偵察局(NRO)」は、つい最近まで、その存在自体がアメリカ政府によって極秘扱いされていた最高情報機関で、その名称はおろか何を目的に活動しているのかは全く不明であった。
●予算委員会の資料に「NRO」という謎の機関が登場しているのに気付いた『ニューヨーク・タイムズ』が、90年初頭にその件についてスクープすると、
1992年9月18日に、アメリカ政府は「NRO」の存在を公式に認めたのである。
NROのシンボルマーク
●NROはCIAの30億ドルに比べて、80億ドルという法外な年間予算を使い、しかもこの予算は「秘密運用予算」として空軍情報活動費や海軍の予算書に隠され、監査には引っ掛からないよう隠密に運用されていた。
職員数もCIAの3倍に当たる5万6000人も配置されている。もっとも、この規模と人員には空軍情報活動も含むという形をとっている。
●一般にNROは、どのタイプのスパイ衛星を開発し、どのターゲットにあてて使用するかを判断することに従事しているそうだが、詳細な任務や組織、あるいは保有すると思われる情報は、現行の機密保持規則下では、「情報公開法(FOIA)」を盾にしても情報請求すら出来ないと言われている。
現在、NROはコロラド州フォートカースンを本拠地としているらしいが、もし予算委員会で「NRO」の存在について触れられなかったら、今でもアメリカ議会や一般大衆はほとんど知ることが出来なかった巨大国家機関だったのである。
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