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No.a6fhe516
作成 2002.5
●『新・文化産業論』や『失敗の教訓』など数多くのベストセラーを世に出している日下公人氏(東京財団会長)は、アジアにおける侵略戦争について著書『人間はなぜ戦争をするのか』(三笠書房)の中で次のように述べている。
参考までに紹介しておきたい。
※ 以下の文章はこの本から抜粋したものです
(各イメージ画像とキャプションは当館が独自に追加)
「侵略戦争」をしたのは日本だけではない。歴史を見ると強い国はみんなした。
問題は強いか弱いかだけだ。強国で侵略しなかった国など一つもない。
あるところでそう話したら、大来佐武郎外務大臣(当時)が
「君の言う通りだが、日本が一番最近やったから一番罪が重い」と言った。
これは、まったくの誤解(間違い)である。
たとえば、日本が戦争に負けてベトナムから撤兵した後、フランスはまた軍隊を送って植民地支配を続けようとした。すでに独立を宣言していたホーチミンが抵抗したが、軍隊を送って弾圧して昔に戻そうとした。
結局、ディエンビエン・フーで負けて引き揚げたが、フランスの侵略のほうが新しい。
フランスの国旗
日本が負けた8月15日の翌々日、1945年8月17日に、インドネシアは独立を宣言をした。そこヘオランダ軍が戻ってきて、独立は許さないと軍隊を送り込んで、4年間にわたる激しい弾圧をした。
結局は弾圧に失敗して引き揚げたが、これは侵略戦争である。
以前、オランダの女王が日本に対して「侵略を謝れ」と言ったことがあった。すると日本の外務大臣は素直に謝罪した。しかし、これは大きな誤解である。
日本がインドネシアから引き揚げた後、オランダが帰ってきて独立宣言済みのスカルノ大統領と戦っている。オランダのほうが新しい侵略者である。
オランダの国旗
アメリカも日本が負けた後、フィリピンへ入っている。
フィリピンはすでに日本によって独立させられているから、「われわれは独立国家である」と主張した。
それをアメリカは日本からもらった独立は認めないと言って、再び植民地にし、翌年アメリカの手で独立を与えた。アメリカのほうが日本より新しい侵略者である。それを忘れては困る。
アメリカの国旗
ビルマとイギリスの関係も同じで、こういうことは、「日本は侵略戦争をした」と言われた時には、ぜひ思い出さなければいけない。
そういうことを全部含めて考えるべきだ。
イギリスの国旗
戦後、日本は国際社会の中で、なにかにつけて「大東亜戦争で悪事をした」と非難され続けてきたが、日本の外務省はこうした事実をきちんと採りあげ、正当な反論をしなくてはならない。
「侵略戦争」とは何かという勉強も日本人には欠けている。これでは過去の侵略を謝罪するといっても、何を謝罪しているのか、本人も分かっていないことになる。
この話は将来への大きな教訓を秘めている。それは、「侵略戦争」を「解放戦争」にみせかけるテクニックについて、日本人は日頃からよく知っておかねばならないということである。
北海道でも沖縄でも佐渡島でも対馬でも小笠原でも、どこでも起こりうることだが、侵略を狙う国は、そこに自国に呼応する勢力や団体や住民をあらかじめ作ろうとする。独立宣言をするのは簡単である。昔は短波で放送したが、今はインターネットででもできる。それから先は応援にやってくる自称「解放軍」と、日本の自衛隊の実力くらべになる。
※ 以上、日下公人著『人間はなぜ戦争をするのか』(三笠書房)より
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